難聴の検査の種類と生活上の工夫

 

先日教育テレビの「ろうを生きる 難聴の治療」という番組を見ました。

難聴の分類による検査の説明など分かり易くて感動しました。

私が通っていた耳鼻科の一つは、「あなたの表(dB)コレね。薬飲んどいて。」という

診察で説明無しだったので、この番組で初めて0デジベルが正常値だと知りました。

 

【難聴の種類と補聴器の効果】

・伝音性難聴…耳の穴、鼓膜、耳小骨に病気がある人。

       →補聴器も効果あり。手術で治療可能。

・感音性難聴…ストレス、加齢、騒音などで有毛細胞が壊れた人。

       言葉を言葉として聞こえづらい。ひずんで聞こえる。耳鳴りがする。

       →補聴器は音が歪んだり、割れたり、うるさく感じて効果が出にくい。

・混合性難聴…中耳と外耳内耳の両方が障害されている人。

       →補聴器や手術で治療効果あり。但しレベルによっては難しい。

 

【難聴診断の検査】

・純音聴力検査…どのくらい小さな音まで聞こえるかをデシベル数値で測定。

        0デジベルが正常。両耳の聴力が70デシベル以上だと

        身体障害者手帳の対象になる。

・語音聴力検査…「あ」「か」などの単音の語音を聞き分けられるかを調べる。

        音声を「ことばの聞こえ方検査用紙」に記入し、結果は正しく

        答えられた割合で示す。

・耳音響放射検査…音を感じ取る細胞の活動状態を調べる。

         イヤホンから出る音に内耳の細胞が反応しているかを波形で

         見ることができる。加齢や病気によって細胞は減って戻らない。

         感音性難聴を検査する上で大事な検査。

 

【生活上の工夫と補聴器の使い方】

・初対面の人には自分の情況を説明しておく。

・自分の聞こえの具合を把握して、聞き取りやすい耳を相手に近づける。

・大人数で話を同時に聞き取るのは難しいので、少人数で一人一人話してもらう。

・少ない有毛細胞を有効に使うために静かな環境で話を聞く。

・障害レベルに認定される場合には、自治体から補聴器の助成がある。

補聴器の音を拾える範囲は4メートル以内なので、離れず近づいて話を聞く。

・話し手は、大声で話す必要はなく、相手の正面を向いて、口をはっきり見せる。

・話し手は、音読みを避けて分かり易い言葉に置き換えて話す。

 

【人工内耳】

重度の感音性難聴で適応基準は両耳で90デシベル以上の人、

補聴器を使っても言葉が20から30パーセントほどしか分からない人が

対象の内耳に電極を入れる手術。入院、全身麻酔をする。

内部に磁石が入っているので、強い磁場(MRT検査や電気治療)では注意が必要。

自立支援医療制度の対象になっているので収入によって違うが、助成を受ける

ことができる。

 

 

聞こえに違和感のある方は、良い耳鼻科で検査してお耳を大事になさって下さいね。